結論から先に申しますと、
値動き予測能力が存在しなければ無意味、存在すれば有効です。

◆まずは、両建ては無意味である方を解説します。

「両建て」は、挟まれた部分の損を確定しただけなので意味なし。
また、両建て切り離す場合に、損を拡大させる可能性があるのでやるべきではない。
両建てするくらいなら、損切りから入り直すべきである。

上述論は、的を射ていますが、やや浅はかとも思います。
なぜなら、それを実践できる人は、少なくとも値動き予測能力を備えている人に限るからです。
そうではない人が、機械的に、例えば建玉が50円逆行したら、
強制損切りするというルールを忠実に守るとしたら、
たちまち、損切り貧乏の内に破産するでしょう。


そこで、予測能力なしの方かだの救済策としても、両建てというものが存在します。

皆さんは、
「銘柄を選ぶ必要なし」
「エントリータイミングを選ぶ必要なし」
「損切りする必要なし」
「それでも、儲かるんです」
という情報を小耳に挟んだことはございませんか?

その原理を簡単に申しますと、両建てから、利益の出た方を利確し、
外れた方をナンピンで追うというものです。

株の場合なら「長期スパンでは、必ず上昇トレンドを描く」
という根拠のないことを金科玉条のごとく信じ、
いつでもどこでも買いから入り、そのまま、相場が上昇すれば利確します。

もし、相場が下げに向かえば、損切りせず両建てします。
そして、最も下げた頃を見計らって売りだけ利確し、
同時に買いナンピンを追加します。

更に、下げれば、下げ幅に従ってもっと買いナンピンをばらまきます。
そして、いずれ上昇トレンドで買いナンピンがプラテンした頃、利確します。
そうすると、両建てした分、両方とも利益となった訳です。

多くの場合、外れた側の買いナンピンの方が、
大きな利益となりますので、味を占めて、同戦法を繰り返すことになるでしょう。


一方、FXの場合なら、
「各国政府の調整が入るので、必ず一定の振幅でボックストレンドを描く」
という同じく根拠のないことを信じ、
現在の相場が、ボックストレンドの高値付近にあると判断したなら、
売りから入り、そのまま相場が下降すれば利確します。

もし、相場が更に上げに向かえば、損切りせず両建てします。
そして、最も上げた頃を見計らって、買いだけ利確し、同時に売りナンピンを追加します。
更に、上げれば、上げ幅に従ってもっと売りナンピンをばらまきます。

いずれ、下降に入り、売りナンピンがプラテンした頃、利確します。
そうすると、両建てした分、両方とも利益となった訳です。

多くの場合、外れた側の売りナンピンの方が、大きな利益となりますので、
味を占めて、同戦法を繰り返すことになるでしょう。


しかし、株、FXいずれの場合も、信じた根拠が崩れ、
ナンピン資金が尽き、更に逆行した場合、その一発で破産します。

ということで、予測能力の存在しない両建ては、
何をどのように工夫しようとも無意味という結論になります。


◆次に、両建ては有効である方を解説します。

私には、デイトレにおける値動き予測能力がありますので、
もう少し、違う観点で次の二種類の両建てを駆使することもあります。

1 攻めの両建て
 上げトレンドの上げ勢い頂点に両建てを仕掛け、その後の押し目下げ落差と上げ勢いの両方を刈り取る戦法です。
 または、下げトレンドの下げ勢いの底に両建てを仕掛け、その後、戻り上げ分と下げ勢いの両方を刈り取る戦法です。
 しかし、失敗リスクが大きいので、積極的にやる戦法ではないと捉えています。

2 受けの両建て
 上げトレンドの押し目底を狙った買い一枚が、更に踏み下げられそうな場合、その瞬間、両建てしておいて、買いタイミングのずれを補正するとともに、予測外の下げ落差と次に来る上げ勢いの両方を刈り取る戦法です。
 または、下げトレンドの戻り頂点を狙った売り一枚が、更に踏み上げられそうな場合、その瞬間、両建てしておいて、売りタイミングのずれを補正するとともに、予測外の上げ分と次に来る下げ勢いの両方を刈り取る戦法です。失敗リスクが小さいので用いても良いですが、基本は、押し目底や戻り頂点への狙い澄ました片建てとすべきと思っています。