この手の投資情報の期待値を見破るには、
勝率でもプロフィックファクター(以下PFという)でもなく、
大数の法則下におけるペイオフレシオ(以下PRという)を見るのが一番です。

以下追って説明しますが、
PR =「平均利益」÷「平均損失」で算出され、
コツコツドカーンのコントラストを如実に反映し、
値動き予測能力のバロメータとして機能します。

大数の法則の説明で、よく引き合い例に出されるコイン投げの場合、
1,000回程度の試行回数で裏と表が出る確率が50%程度に落ち着くとされています。

しかし、デイトレの場合、通常は1,000回取引しても1万回以上取引しても、
大数の法則は成り立ちません。

その理由は、何をどのように努力しようとも、
努力と成果が比例する方法にたどり着くことは不可能だからです。

つまり、デイトレの世界には「能力一定」の段階を徐々に押し上げて
上達する手段か存在しないのです。
よって、9,990取引が成功しても、残りの10取引で破産することさえあり得ます。

ちなみに、前者コイン投げの場合は、
コイン自体が持つ表と裏を出す能力は一定で等しいので、
大数の法則が成り立つのです。

例外的に、私の場合は、既に「努力と成果が比例する方法」を発見し、
「能力一定」を段階を踏んで上達しつつあります。

そして、それを投資初心者でもプロの投資家でも一目で判断できるように、
デイトレ能力段級位を定めています。
同段級位はPRと正の相関があり、コツコツドカーンのコントラストとその頻度を表しています。


◆さて、話を戻して、対照的にEA・シストレ・自動売買の場合の期待値についてお話します。

EA・シストレ・自動売買で、宣伝文句に「1万円が5年後には5億円に」というようなフレーズをよく見かけますが、
それは、あるスパンの過去の取引履歴をカーブフィッテングしてPFを最大化して見せたものです。

当然、未来の値動き予測には無関係であり、
まったく役立ちませんので実際運用するとたちまち破綻します。

カーブフィッティングとは数字の遊びであり、
以下式を根拠にPFを自由にチューニングする行為を指します。

PF(利益総額÷損失総額) = 勝率×ペイオフレシオ÷(1-勝率)
PF = 2.5の場合
ペイオフレシオ = 2.5(1-勝率)/勝率
勝率40%の場合、ペイオフレシオ=3.75
勝率50%の場合、ペイオフレシオ=2.5
勝率60%の場合、ペイオフレシオ=1.67
勝率70%の場合、ペイオフレシオ=1.07
勝率80%の場合、ペイオフレシオ=0.625
勝率90%の場合、ペイオフレシオ=0.278

以上、下へ行くほど、勝率が大きくなり、
PRが小さくなっておりナンピン系の特徴に近づいていきます。

一方、上へ行くほど、勝率が小さくなり、PRが大きくなっています。
しかし、これは矛盾であり、現実のトレードでは、PRは前述しましたように、
値動き予測能力の代名詞でもありますので、
予測能力が上昇するほど勝率が小さくなるという現象はあり得ません。
値動き予測能力が一定なら、必ず勝率は一定に向かいます。

結局、もともと予測能力の存在しないEA・シストレ・自動売買には、
最初から安定したPRなど存在しないということです。

唯一、予測能力があるように見せかけることができる最有力手段は、
本例においては、勝率90%、PR0.278のカーブフィッテング、
すなわち一発破産を覚悟したナンピン系だけです。

それ以外は、普通にコツコツドカーンで破産していくでしょう。

結局、すべてのEA・シストレ・自動売買は、遅かれ早かれ、必ず破綻します。
これが、現実です。

もともと、EA・シストレ・自動売買は過去データしかストラテジーの根拠にすることができず、
予測能力が存在しないので、当然と言えば、当然ですが・・・。